ブラック企業

最近の若者は国内の企業に魅力を感じなくなったと言われていますが、実は魅力を感じないというよりも、ハードルが高いと言った方が正確です。確かに昔に比べれば、転職活動も珍しいものではなくなりました。しかし終身雇用の慣習が消失しているわけではありません。つまり解雇される可能性が上がったものの、正規採用される見込みが増したわけでもなく、将来の見通しが立ちにくいのが実情なのです。ですから再就職のリスクは依然大きく、嫌気が差した若者が海外に逃避しているといった有様です。バブル期であれば、希望を胸に起業する若者がたくさんいました。その冒険心は大いに称賛されました。しかし今では全く逆転し、将来を悲観する若者が満ち溢れるようになってしまったのです。
若者を追い詰めるのは貧困化だけではありません。「ブラック企業」という言葉をご存知でしょうか。労働関連法規に従わず、残業代を払わなかったり、パワハラが横行したり、無理に働かせたりする企業を指して用います。反意語として「ホワイト企業」なる言葉も知られていますが、こちらは法令を遵守し、福利厚生を配慮する企業を意味します。ブラック企業に就職してしまった若者は、その扱いに耐えられずに退職してしまいます。正社員であっても心身に不調をきたし、辞める者がいます。一方、辞める勇気を持てず、必死に耐えながら勤続している者もいます。問題は後者の若者です。酷い労働状況に置かれてしまえば、人は最悪の場合、自殺に追い込まれてしまうからです。個別の問題ではなく、人の命に関わる社会問題だと認識しなければなりません。

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